九官鳥は野生では昆虫や虫、果物を食べている。これらを餌として与えるのは難しいので、昔は擂餌(すりえ)で飼われていた。
1960年代までの飼料は、擂餌が与えられていたが、1969年に多孔性の九官鳥用固形飼料が開発され(特願昭44-58861 愛玩鳥用成型飼料)、現在市販されている九官鳥用固形飼料として定着した。この固形飼料は、ドライドッグフードと同様にエクストルーダーという押出成型機により作られるが、粒の物性はドッグフードとは異なり、粒は湯に浸潤した時に給水が早く、かつ、粒がふやけたまま形状を維持している必要があり、吸水後の粒形状が崩れたり粒の中に芯があるものは九官鳥が首振りと称して、粒を食しないなど嗜好に影響がある。九官鳥用飼料では、ヘモクロマトーシスを避けるために鉄含有量を低く抑えることがよいとされている。
(ペットフード・ペットビジネスの動向、シーエムシー出版、2007年)
国内でもっとも普及している九官鳥の餌は日本ペットフードのQ−chanというもの。ごんちゃんはペット屋ではカスタムラックス・スピークという餌をずっと与えられてきた。
一方で、国産の餌はダメで、外国産のペレットを与えるべきだ。という主張をインターネットで見かける。国産の餌は栄養のバランスが悪く、鉄分が多すぎるので、九官鳥は病気になって早死にする。獣医にそのように指導された。ということらしい。
海外の情報をいくつか読んでみると、九官鳥が鉄分の蓄積を招きやすいというのは、異論がないようだ。しかし、それが餌の鉄含有量によって決まるとは、かならずしも言えず、ペレットを与えてもヘモクロマトーシスになる場合もあるし、安物のドッグフードでも長生きする場合がある。対照飼育でも明確な結論はでなかった、とある。
ごんちゃんには、カスタムラックスと外国産のペレット数種類、ほかに果物、動物性食品などを併用して与えるつもりだ。いま日本での九官鳥の飼育は急速に衰退しつつあって、十年後には国内に九官鳥はほとんどいない状態になる見込み。そのため、九官鳥フードもいつ発売中止になるかも知れず、一つの餌にたよるのは危険だと思う。

ズプリームとカスタムラックス。

カスタムラックスの粒。食べる気にはならないが、美味そうな良い匂いがする。ふやかすと食欲をそそる食感に。ごんちゃん大喜び。

ズプリーム。匂いはない。食べてみたら、薄味の煎餅とかあられとか、そんな感じ。全体に穀物っぽい味で、虫食の鳥にとってはどうなんだろうか。ごんちゃんに与えると、はじめは完全に無視。自発的に食べるまで、あれこれ工夫して三日かかった。

ためしにララビスに与えると喜んで食べていた。おまえが食べても意味がないが。
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posted by yanagisawa at 16:26|
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九官鳥