2014年04月05日

双子素数予想の解決は近い(かも?)

約数が2つだけしかない正の整数を素数と呼ぶ。素数は、小さいほうから、

 2, 3, 5, 7, 11, 13...

と無限につづく。

では、隣り合った二つの数が二つとも素数になることはあるだろうか? それは、(2, 3)のペアしか存在しない。(N, N+1)のどちらかは偶数になってしまうが、偶数の素数は2だけだからだ。

そこで、距離が2であるような二数(N, N+2)がともに素数になるようなペアを考えてみよう。このようなペアは、多くの例が知られている。

 (3, 5), (5, 7), (11, 13), (17, 19), ...

このペアになる素数(N, N+2)を双子素数(ふたごそすう)と呼ぶ。双子素数はいくつ存在するだろうか? 多くの数学者は無限に存在すると考えているが、まだ証明されていない。

(双子素数予想) 双子素数は無限に存在する。

これは有名な予想だが、私はなんとなく疑わしいと思っていた。

まず、素数が無限に存在するといっても、数が大きくなるほど素数はまばらになっていく(素数定理)。そして、素数の逆数和が無限大に発散するのに対して、双子素数の逆数和は有限な値になる(ブルンの定理)。

 (1/2)+(1/3)+(1/5)+(1/7)+(1/11)+(1/13)+ ...= +∞
 (1/3)+(1/5)+(1/5)+(1/7)+(1/11)+(1/13)+(1/17)+(1/19)+ ....= 1.90...

これは、仮に双子素数が無限に存在したとしても、素数全体よりはるかに少ないことを意味している。

また、数が大きくなると、合成数(素数でない数)ばかりつづく部分が、たくさん存在する。たとえば、

100!+2, 100!+3, 100!+4, ...,100!+100

は合成数が99個づづく例である。このように合成数ばかりになれば、数少ない素数同士が接近することはほとんどないだろう。

などと漠然と思っていたが、どうやら双子素数が無限に存在することが、証明されつつあるようだ。

2013年、ニューハンプシャー大学のZhang Yitangは、距離が7000万以下であるような素数のペアが無限に存在することを示した。仮にこの距離を2まで小さくすることができれば、双子素数予想の解決になり、彼の結果は重大な進歩であるといえた。

このZhang Yitangは、無名で高齢の数学者で、アカデミックポストにも苦労して就いたようだ。双子素数予想のような有名予想への重大な貢献を、冴えない数学者がするというのは、異例のことだ。(一流の数学者はほとんどみな元神童である。)そのため、Zhang Yitangの結果の重要性は認められても、理論的な発展のない散発的なものと思われていたのではないだろうか?

それにつづいて、テレンス・タオ(Terence Tao)が研究を発表しだしたとき、私は、「ああこれで解決するのだろう」と思った。テレンス・タオはフィールズ賞も受賞した当代一流の数学者、プロ中のプロである。彼の研究の領域は異常なほど広く、問題を解く能力もまた尋常ではない。

そのタオを含む数学者たちの進行中の研究を、ネットで見ることができる。(その気になれば参加も!)

Bounded gaps between primes
http://michaelnielsen.org/polymath1/index.php?title=Bounded_gaps_between_primes

2014040501.jpg.jpg

上のサイトの、Current recordsが現時点での進展だ。m=1が双子素数についての場合で、Without EHというのが、証明された最良の結果。現時点では252となっているので、距離が252以下である素数のペアが無限に存在することまでは証明されている。その左隣のAssuming EHは、ある特定の予想(Elliott–Halberstam予想)が正しいと仮定した場合で、このときは距離が6ないし12以下の素数のペアの無限の存在が言える。そしてその左のConjecturalが証明すべき予想を示している。つまり、距離が2以下の素数のペア、すなわち双子素数が無限に存在すること。

というような流れを見ていて、素人ながら、ああ素数予想は正しかったんだな、と思った。

以前漠然と考えていた、素数のまったく存在しない合成数ばかりの部分がたくさんある、というのは、予想を否定する根拠にはならない。むしろ逆だ。

はるか遠く無限に広がる世界に、数えきれないほどの広大な砂漠が存在したら、砂漠と砂漠の間に点在するオアシスたちは、身を寄せ合うようにして接近せざるを得ないだろう。だからどんなに遠くへ行っても、隣り合うオアシスが見つかるのだ。

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posted by yanagisawa at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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