2012年02月18日

細川博昭『江戸時代に描かれた鳥たち 輸入された鳥、身近な鳥』の感想

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江戸時代に描かれた動植物の絵は、博物学的な記録としても面白いし、美術品としてみても魅力的だ。この本は、前半は外国から輸入された飼い鳥の絵、後半は梅園禽譜のなかの日本の野鳥の絵を集め、簡単な解説をつけたもの。

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載っているのは、増山正賢『百鳥図』、水谷豊文『水谷禽譜』、毛利梅園『梅園禽譜』、牧野貞幹『鳥類写生図』、『薩摩鳥譜』、『外国珍禽異鳥図』、『外国産鳥之図』の一部。これらは、いずれも国会図書館のインターネットサイトで閲覧(およびダウンロード)できるので、それを見て書籍版がほしいという人には便利な本。反対に、この本で興味をもったら、国会図書館や東京国立博物館のサイトもみると面白いと思う。

類書としては、前半は磯野直秀『舶来鳥獣図誌』(八坂書房)、後半は『鳥の手帖』(小学館)がある。

この本の中のコラム「十姉妹、壇特とコシジロキンパラ」については、私は著者とはべつな考えを持っているので、以下それを書いておこうと思う。

このコラムでは、江戸時代の十姉妹はコシジロキンパラ華南亜種(Lonchura striata swinhoei)、壇特(ダンドク)はコシジロキンパラ雲南亜種(Lonchura striata subsquamicollis)であり、今日の十姉妹はこれらの交雑によってできた、とある。雲南亜種というのは、中国の呼び方で、主にインドシナ半島に分布する亜種のこと。

ただ、私はダンドクは中国から輸入されたコシジロキンパラではないと考える。中国から輸入された鳥は、中国名で呼ばれるが、ダンドクについては中国にその記録がない。また描かれた鳥はコシジロキンパラと異なっている。

まずコシジロキンパラはインドシナ亜種も含めて、腰が白い。

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Lonchura striata subsquamicollis(プーケット島)※

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Lonchura striata subsquamicollis(マレー半島)※

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Lonchura striata subsquamicollis(マレー半島)※

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Lonchura striata subsquamicollis(ベトナム)※

この本に出ているダンドクの図は以下。(図32については、原図を見るとダンドクの指す鳥が不明なので省略した)

2012021808.jpg 水谷禽譜(国会図書館)
2012021809.jpg 梅園禽譜(国会図書館)
2012021810.jpg 百鳥図(国会図書館)

これだと、腰の部分は少し分かりづらいが、次を見ると、腰が黒かったのが分かる。

2012021811.jpg 堀田禽譜(東京国立博物館)
2012021812.jpg 関根雲亭(東京国立博物館)

ダンドクとは、オランダ船によって運ばれた、ジャワ・キンパラ(Javan munia, Lonchura leucogastroides)である。

2012021813.jpg Lonchura leucogastroides ※
2012021814.jpg Lonchura leucogastroides ※


※ Robin Restall, "Munias and mannikins" Yale Univ. Press, 1997

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posted by yanagisawa at 15:22| Comment(1) | TrackBack(0) | 本の感想
この記事へのコメント
江戸時代に好まれた鳥がスズメのような素朴な小鳥がいたことを嬉しく思います。
昭和30生まれですが、朝、目覚めると、ーーいいお天気の時に、スズメのさえずりで目が覚めました。
スズメの声って、いいお天気で樹木と水があるところでは、とってもウキウキ楽しげなさえずりですよね
スズメの学校の先生は〜♪首をフリフリ、チイパッパ

カトリックの法王をパパ様というそうですが、、小さなパパ様ってかけてるのかな?って、、?
日本ではスズメはチュンチュン鳴きますのを、こう言う風に表現して子供の愛唱歌を作った想いを馳せます

阪神大震災、911テロ後、多くの帰化人が日本に増え、今までは気づかなかったお顔の系統が際立ってきています。
天皇陛下って、パウロ二世に似てられるように見えたりします。
お言葉なんかも、よくに通ってられるように感じ、
懐かしく拝見することが多くなってきています。。
私自身、1999に帰天された戦争直前に来日されたイタリア人新婦様と阪神大震災前直前に出会い、
外観は全く違うのに、何だか大昔から同じアイデンティティを持ってるような、
ユーモアや価値観が同じことに驚いたことがあります。。

ギリシア神話は改ざんされ、元の話しが分かりにくくなってはしまってますが、、
まだ?日本神話の方が元の話しを推察しやすいと思いますが、
結構?この二つって、同じ価値観を歌っていたのではないのかな?

ソクラテスやプラトンが戦前からずうっと、日本人が大切にしてきたというのも、、同じような気持ちですよね。

今、十姉妹の鳥が江戸期にインドから輸入されたカンナ属のダンドクという植物が、
同じ名前の鳥を江戸期に輸入され飼いならされて出来たのが、十姉妹と言って、子育ての上手な鳥だそうです。
私が子供時分には、十姉妹や文鳥って、よくかわれていて、卵を巣に産んでました。
鳥菜につかったのは、白菜ににた野菜が、ほうれん草よりも日常的で、お水とヒエと一緒にカゴにいれてありました。
このダンドクって、今では南米原産って、ネットではなってますが、、江戸期や昭和時代には、インドです。
北インドのガンダーラにあるダンドク山に居た鳥なんでしょうか?
シュタヌ太子が布施修行した山だそうですが。。
Posted by takokuro at 2014年12月25日 00:49
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