2012年01月16日

白文鳥はいつ誕生したのか?(3)

白文鳥には、優性と劣性の二種類がある。

優性白文鳥は、弥富市で長く生産されてきたタイプで、雛の時には背中に薄灰色の斑(ぶち)があり、換羽ともに白くなっていく。劣性白文鳥は、雛のときから全身が白い。遺伝的性質は、次のようになる。

・優性白文鳥どうしからは、優性白文鳥とサクラ文鳥(並文鳥を含む)が生まれる。
・優性白文鳥と並文鳥(ノーマル文鳥)からは、優性白文鳥とサクラ文鳥(並文鳥を含む)が生まれる。
・劣性白文鳥どうしからは、劣性白文鳥が生まれる。
・劣性白文鳥と並文鳥(ノーマル文鳥)からは、パイド文鳥が生まれる。
・優性白文鳥と劣性白文鳥からは、優性白文鳥とパイド文鳥が生まれる。

そこで、問題なのは、江戸末期に現われた白文鳥は、どちらのタイプかである。結論をいうと、優性白つまりいわゆる弥富タイプの白文鳥であることが分かる。劣性白文鳥が同時に存在していた可能性は排除できないが、当時の資料が示しているのは、すべて優性白文鳥である。


"But in breeding from White Java Sparrows it frequently happens that in the same brood some of the young birds turn out speckled, or even quite blue, whilst others are pure white."
Blakston, W. A., Swaysland, W., Wiener, A. F. (1877–80). The Illustrated Book of Canaries and Cage

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「しかし、白文鳥どうしのあいだから、しばしば一腹の中に、純白な雛のほかに、斑のある雛、あるいは全く灰色の雛まで現われる。」

"It is said the white birds breed more readily in confinement than the common Java Sparrows, but amongst the nestings there are generally some, which either return wholly to the colour of their progenitors or are partially gray and spotted."
Dyson,C.E:"Bird-Keeping",(1878)

「白い文鳥は並文鳥よりも籠の中で容易に繁殖するといわれているが、雛の中には、すっかり先祖に帰ってしまった色や、部分的に灰色とまだらになっているものが出る。」

"Occasionally, nevertheless, some parti-coloured individuals will make their appearance in the nest of pure white parents"
Green,W.T:"Feathered Friends - Old and New",(1896)

「しかし時には、純白の両親の巣に、まだらの個体が現われる。」

"At last, in 1893, they brout up one youngster, its upper surface entirely pearl-grey, its under parts white, beak and legs flesh-pink: at the first moult the grey wholly disapeared."

"one being coloured like an ordinary wild bird in its nestling plumage, with black beak and all complete, two somewhat paler, with party black beaks, and two resembling the young plumage of their mother -- grey and white, with rosy beaks and legs."

"About three days later, my pair of white Java Sparrows were heard feeding a youngster, which left the nest three weeks later and resembled a wild bird in its first plumage."
Butler,G:"Foreign Finches in Captivity",(1889)

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「(筆者バトラーの飼っていた白文鳥のペアは)ついに、1893年、一羽の子どもを育てた。その背面は全体にパールグレーで、下面は白く、觜と脚は肌色だった。最初の換羽で背中の灰色は、すべて消えた。」

この白文鳥はメスで、バトラーはこれを並文鳥とペアにした。1894年2月3日までに5羽の雛が生まれ、3週間後巣立ちした。

「一羽は觜もすべて黒く並文鳥のような色で、二羽はすこし色が薄くて、觜は部分的に黒かった。残り二羽は母親の雛のときに似ていて、灰色と白の羽毛で、ばら色の觜と脚だった。」

「およそ三日後、白文鳥のペアも、一羽の雛に餌を与えているのが聞こえた。三週間後に巣立ちして、羽毛は並文鳥のようだった。」


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posted by yanagisawa at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 飼鳥の歴史
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