2009年07月19日

「チーコ」をめぐるどうでもいいようなこと

つげ義春のマンガ作品「チーコ」には白文鳥が登場する。紙箱と電球、竹べらで差し餌をする様子が楽しい。

売れない漫画家と、生活を水商売で支えている女が登場する。それは、ささくれ立った薄暗い生活だが、彼らが駅前の鳥屋で文鳥の雛を買うことで、生活がかわりはじめる。そこでは、白い手乗り文鳥は、ささやかな(しかし、はかない)幸福の象徴として描かれている。

つげ義春はこの作品について、実話に基づいていると述べている。すると、おそらく舞台は、他の作品から分かるように、調布市近辺になるだろう。調布市には昔(五十年前だそうな)からやっている工藤優鳥園という小鳥屋がある。この店は、調布銀座の入り口にあるのだが、かつて駅が移転する前はここが駅前だったのである。つまり、つげ義春はこの店で白文鳥を買い、「チーコ」を描いたのだ。

と思っていたのだが、実は違ったようだ。本人が錦糸町で描いたと言っていた。

あの頃の調布 http://www.mugendo-web.com/y_tsuge/tabi.htm

まあ、どうでもいい話だが、どうでもいい話を続けます。

女が珍しく酔って帰ってきた夜、女が客と何かあったのではないかと、男が疑う場面がある。下記のページでは、性的な関係の有無にこだわっている。

日本大学芸術学部文芸科 授業レポート
http://report.bunka-kaigi.com/archives/2004/04/post_16.html

作品の中で、男は文鳥を誤って死なせてしまい、逃げたといってごまかす。女はそれを疑って追及する。それは、女が酔って帰ってきた夜、男が女を疑って非難する場面のカウンターパートだ。作品の構造としては、男がじつは文鳥を死なせたように、女も客との関係があったと読むしかない。しかし、追求はどちらも曖昧になしくずされ、そうすることによって、かれらの関係は維持され、何かを分かち合う。

けして正しくはない、少し悲しくて微笑ましくもあるような男女を描いた作品だ。

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posted by yanagisawa at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想
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