八歳と四ヶ月だった。
前回の記事に書いたように、老化して体力の衰えは見せたものの、私には老後を楽しんでいるように見えた。まだまだ長生きしてもらうつもりで、つい最近もララビスの餌をあれこれ買って、どれを気に入るだろうかなどと考えていた矢先だった。
昨晩もいつものように、私の手や頭の上で遊んで過ごした。一時間ほど遊んだあと、おやすみと言ってケージに戻した。そしてそれが最後のおやすみになってしまった。
朝、ケージの底に横たわるララビスの体を持ち上げると、ふかふかとして柔らかく、ただ安らかに眠っているように思えた。どうにも死を受け入れる気にはならず、ぼーっとしている内に一日が経った。
ララビスというのは、以前住んでいたアパートの名前だった。ラテン語で rara avis、珍しい鳥という意味だ。
ラテン語に、"Amicus verus est rara avis" という格言がある。「本当の友だちは珍鳥だ(まれだ)」という意味だが、私にとっては、「本当の友だちはララビス」だ。
それで、墓碑銘代わりに"Amicus verus est Rara Avis"と書いた紙に包んで、庭に埋めてあげた。
さよなら、ララビス

おとといのララビス